インターネット進化を一気に加速させる放送のデジタル化
BS放送・地上波放送のデジタル化で、家庭内インターネット進化は急速に進む
●CSからはじまった放送のデジタル化
デジタル放送というと、すぐNHKの「ハイビジョン」が思い浮かぶ。しかしこれは放送内容はデジタルでつくられるものの、衛星からの電波はアナログ。じつに中途半端な技術であった。
本当のデジタル放送は、通信衛星(CS)を使ったパーフェクTV(その後スカイパーフェクTVに)が、1996年に放送を開始して本格化してきた。2000年には、BSのデジタル化がはじまり、さらに2005年には一般のテレビ放送(地上波)もデジタル化される。
デジタル化のメリットには、多チャンネル化や高品位化がある。デジタル化により情報内容を圧縮できるからだ。
ちなみにCSは、デジタル化することで、数百チャンネルという多チャンネル化を実現した。またBCはハイビジョン放送を行う予定で、今までとは比較にならない高画質の映像を受けることができる。放送のデジタル化にあわせ、磁気テープを使った現在の録画機器も、デジタル化される可能性が高い。
●「放送」を取り巻く環境の激変
デジタル化のもう1つのメリットは、双方向性やデータ多重化などである。データ放送によって、番組途中で視聴者からアンケートを取ったり、テレビの通販番組とオンラインショッピングの融合ができる。
しかし、放送を取り巻く環境の変化は激しい。CATVが普及し、インターネット放送も現実のものとなった。その一方でパソコンのテレビ化、テレビのパソコン化も図られている。
今後、テレビ放送が衛星を通じて配信されるのか、地上波か、ケーブルか、はたまたインターネット上か、予想がつかない事態となっている。ただ、今のように6~7波しかない地上波のテレビ放送を見て、ビデオテープに録画するという時代が、あと数年しか続かないことだけはたしかであろう。