ITによって進化しはじめた日本企業たち⑥
セキュリティ業界や教育関連業界なども、ネットビジネスに可能性を見いだした
●ウィルス監視まではじめたセコム
企業の情報資産や会社的信用を脅かすコンピュータウィルスによる損害は、今や深刻な社会問題となっている。
そこでセコムは「SECOM CYBER SECURITY」というウィルス監視サービスを開始した。サイトでのウィルスの発生状況やパターンファイルの更新状況などをセコムのセンターが24時間、365日監視し、システム管理者への電話連絡等、適切な対処を実施する。また、万一の場合には人が駆けつけるというサービスや、ウィルスによる被害について補償する保険がセットされている。
警備のしかたもIT時代には大きく進化するのだ。
●予備校や英会話スクールにも変化
NOVAは、「お茶の間留学」というクラスで、スクールでうけるのとまったく同じ、あるいはそれ以上のクォリティのレッスンが、自宅やオフィスでも受けられるようにした。
1人の講師と複数の生徒が本当のレッスンルームにいるように、家庭用テレビの4分割画面に同時に登場する。全員の表情を見ながら、身振り、手振りを交えて話ができる環境である。
テレコミュニケーションによるマルチメディア教育は、近い将来国際的な学校教育の国境の垣根すら超越するかもしれない。
また、東進ハイスクールを経営するナガデでは、大学の過去入試問題を無料でネット上から提供している。利用者はメールアドレスや住所を入力が必要で、同社にとって学生情報の入手となる。アメリカのインターネット関連企業であるイグナイト社と提携して、予備校の講義や英会話授業などもネット上で配信する計画を進めている。
歴史のある「予備校御三家」の1つ、代々木ゼミナールでも、授業を「スカイパーフェクTV」やインターネットを通じて自宅で受講できるような取り組みをはじめている。