ナレッジシステム構築の重要性
IT時代には膨大な量の情報が扱われる。問題はそれをいかに活用するかだ
●情報を共有することの意義
今、多くの企業で社内のイントラネットがつくられている。また、グループウェアを使って、多くのデータが共通に管理される世になってきた。いわば、社員の知識=ナレッジが、社内のネット上にどんどん蓄積されてきている。
こういった情報を効率よく使おうというのがナレッジシステムである。このシステムがうまく機能すれば、例えば、営業情報とクレーム情報が突き合わされ、新しい商品開発に活かされるようになる。また同じ営業部内でもいろいろな情報をきょうゆうできるようになる。
東洋大学では、学内イントラネットで、教員が講義内容を毎回ネット上に記録することになった。学生は、講義に出られなかったときに、おおよその講義内容を確認することができる。教員は他の教育の講義内容を見ることで、講義の重複を避けることも可能になる。また過去の講義録を見て講義を選ぶこともできる。
これは大学に限らないが、情報をネット上に書き込むのは一定の手間がかかる作業である。しかし、所詮教員側が講義ノートをつくるのであれば、それをネット上に置くだけの話だ。
●わずかな努力が組織の改革につながる
ナレッジシステムの第1の関門は、情報をネット上に乗せる手間である。第2の関門が、それをうまく活用するシステムがつくられるか、である。
いったん、企業の種々の情報が社内ネットに乗り、部署を超えて活用されるようになれば、情報を提供しながら、他の情報を活用するという、まさにナレッジシステムのめざす企業内情報の共有が実現する。同時に組織内の縦割りも解消され、ひいては、企業組織の抜本的な見直しにも繋がっていくはずである。